「ラーメン荘 地球規模で考えろ」のこれまでについて
Q:お店をはじめたきっかけは何ですか。
もともと京都・一乗寺にある「夢を語れ」がこの「ラーメン荘」グループの1号店でそこは2006年頃にオープンしました。その後、2009年にこの「地球規模で考えろ 伏見本店」の店舗が「ラーメン荘」グループの2号店として開業しています。
この店「地球規模で考えろ」を創業した柳原さんは、もともと「夢を語れ」の常連客でした。何度も足を運ぶうちにそのラーメンの魅力に惹かれ、当時50歳で「自分もやりたい」と決意して、「夢を語れ」で修業を積んだ後、この店を開業されました。
Q:園田店長がこのお店を前の店長から引き継ぐことになったきっかけは何ですか。
もともとは兄弟子がいましたが、その兄弟子が系列店である「地球規模で考えろ ソラ」へ異動することになりました。そのタイミングでこの店の店長を任され、現在に至っています。

豚ダブルラーメン(全マシマシ)
「ラーメンのユニークさ」について
Q:「ニンニク入れますか」の文化についてどう思いますか。
とても良い文化だと思います。 というのも、最近の若い人は自己主張が苦手な人が多いと感じるからです。店では「ニンニク入れますか」という一言をきっかけに、「はい、入れます」と返事をし、その後は野菜やアブラの量なども自分の好みに合わせて注文できます。自分の希望をはっきり相手に伝えるいい練習になるので、とても良い文化だと前の店主も話していました。
Q:こちらの店のラーメンのような二郎系ラーメンの特徴は何だと思いますか。
一言で特徴を説明するのは難しいですね。ジャンルとしては豚骨ラーメンになるかもしれませんが、やはり二郎系ならではの魅力があります。
まず、自分で「野菜マシ」や「野菜マシマシ」などを注文できることです。また、普通のラーメン店と比べても麺の量が多く、とにかくボリュームがあるのも特徴です。その量を食べ切ることで達成感が生まれ、「また食べたい」と思ってもらえるのではないでしょうか。
先代の店長も、「舌で味わうラーメンではなく、成功体験として脳に刻まれるラーメンを作らなければならない。おいしいものはほかにもたくさんあるから」とよく話していました。だからこそ、この店では、食べ終えたときの感動や達成感を大切にしています。
そのほかにも、極太麺や豚骨醤油のスープ、山盛りのもやし、アブラ、分厚いチャーシュー、ニンニクなど、食べた瞬間に「おおっ」と感じるようなインパクトも特徴です。アブラと糖質の組み合わせによって、「また食べたい」と思ってもらえることも、このラーメンの魅力だと思います。

お店のラーメンの特徴について語る園田店長
Q:ラーメンを作る時一番大切にしていることは何ですか。
うちのラーメンは、豚骨から取ったスープに醤油を合わせるだけではなく、そこからさらにさまざまな工程を経て作っています。そのため、時間帯や担当する人、豚や脂の量などによって、どうしても味に多少のぶれが出てしまいます。
だからこそ、味がぶれるとしても、そのぶれをできるだけ高いレベルで保つことを意識しています。100点満点の味を目指すのはもちろんですが、70点や80点まで落ちるのではなく、90点から95点くらいの品質を常に維持したいと考えています。
また、当店はお待ちいただくことも多いので、「待ってこれか」と思われるラーメンにはしたくありません。待ってでも来てよかった、価値があったと思っていただける一杯を提供したいと考えています。

厨房に沿ってカウンター席が並ぶ店内
お客さんには見えない裏
Q:お店を始めてから一番大変だったことは何ですか。
一番大変だったのは、やはりコロナ禍です。2020年頃から数年間は、お客さんがほとんど来なくなり、営業時間も短縮され、夜はテイクアウトのみの営業を続ける時期もありました。
補助金はありましたが、お店の活気がなくなってしまったことは大きかったですね。アルバイトにも楽しく働いてもらえなかったし、お客さんにも負担をかけてしまいました。
飲食店であれば、どこも同じように大変だったと思います。本当に厳しい時期でした。
Q:その大変だったことをどうやって乗り越えましたか。
通常は11時から15時まで営業し、その後18時まで中休みがありますが、コロナ禍では通し営業にしました。それでも15時や16時、17時頃はほとんどお客さんが来なかったので、その時間帯限定のラーメンを提供するなど、できる範囲で工夫をしました。
工夫といっても大きなことではありませんが、通し営業にしたり、暇な時間にいろいろなことを試したりしながら営業を続けていました。
Q:お店を始めてから一番嬉しかったことは何ですか。
日々、お客さんがラーメンを食べて帰られる時に、「おいしかったです」「ごちそうさまでした」と言っていただけるのは、本当にうれしいです。
でも、特に印象に残っているのは、お客さんからいただいた手紙です。「4年間通わせてもらいました」「京都を離れますが、また帰ってくる時は食べに来ます」と書かれていて、とても温かい気持ちになりました。

雨の中でも長蛇の列
Q:スタッフとのコミュニケーションで普段から大切にしていることは何ですか。
まず、アルバイトの面接の時点で、「忙しい店だけど大丈夫?」ということは必ず伝えています。働き始めてから「こんなに忙しいとは思わなかった」と感じさせるのはかわいそうなので、最初にしっかり説明した上で働いてもらうようにしています。
また、新人スタッフには、忙しいお店だからこそ、いきなり現場に入れるのではなく、時間をかけて研修を行うことを意識しています。慣れてきたスタッフは、みんな上手にお店を回してくれています。
それから、お店の外の様子にも気を配るように伝えています。お客様には壁側に一列で並んでいただくようお願いしていますが、それは近隣の住民の方への配慮でもあります。忙しい時も、「外は大丈夫?」と声をかけながら、周りへの気配りを忘れないようにしています。
Q:長時間の営業を続けるために、普段から意識していることはありますか。
たしかに営業時間がずいぶん長いですよね。長時間の営業なので、体力をうまく配分して使うことを意識しています。特に夜の忙しい時間帯に集中しすぎて、その後に疲れてしまわないように気を付けています。
19時頃に来たお客さんも、23時頃に来たお客さんも、「このお店は元気だな」と感じてもらいたいので、最後まで疲れを見せないように頑張っています。

店舗のシンボルともいえる、手書き風の縦看板
「ラーメン荘 地球規模で考えろ」の将来について
Q:お店やご自身の今後について、考えていることがあれば教えてください。
お店を大きく変えたいということはあまり考えていません。ただ、このお店は大学生をターゲットにしているので、毎年入学してくる新しい1年生にも「このラーメンにはまった」と思ってもらえるようなお店であり続けたいと思っています。
一方で、このお店でできることには、少しずつ限界も感じています。今の場所は並びやすくてとても良いのですが、もっとシステムを変えて営業できるような場所へ、将来的には移転することも考えています。すぐにというわけではありませんが、遠い未来の選択肢の一つですね。
(インタビュー:2026年6月)





