デジタル時代に、なぜ書道?

関西外国語大学

デジタル時代に、なぜ書道?

PEOPLEこの人に取材しました!

南條佳代(南條佳園)さん

書道講師

現在、関西外国語大学で書道を教えている、書道をたしなむ家に生まれた南條佳代先生。書道の授業を通して、日本文化を広めるべく、世界中から来た留学生に教えている。なんでもパソコンで書けるこの時代においても書道は依然として、かけがえのない役割を果たしているのではないだろうか。そこで、南條先生に書道の奥深さを一層詳しく教えてもらった。

先生の書道との歩み

 Q:書道を始めた頃から書道を教えるようになるまでの歩みを教えていただけますか

 私の母が書道の先生で、さらに、私のおばさんも書道家で、私の母のお父さんが上手だった。おじいさんが戦争に行っても字が上手だから戦場には出ないで、そこの事務所の中で記録係をしていた。そのため無事に帰ってきた。何回も。だからおじいさんは、その特技があるといいからと、私の母もおばさんも書道を習っていた。私も小さいときから、母に習い幼稚園の4歳から書いていた。

  

Q:書道を教えようと思ったきっかけは何でしたか

 ずっと母がやってたから、いつも見ていたし、家が書道教室で子供たちがいっぱい来て、みんなに教えていた。私もその中で一緒に教えてもらい、その環境もあります。毎日近くでそれを見て、家の中に墨も紙もいつもあったから。

Q:先生の書道に最も影響を与えた恩師は

 実家の、岐阜県で後藤秀園(ごとうしゅうえん)という方で、その先生は母の先生でもあり私が入学した大学の書道の先生もされていた。その授業を受けて、いい先生だなと思ったからです。

  

書道とは?

 Q:先生にとって書道はどのような意味を持つものですか?

生活の一部ですね、あたりまえにあったから。でもほかのもの、母と同じではなく違うものも考えました。インテリアデザインとか建築とかも好きでしたが、結局そちらの大学に受からなかったので、受かった書道のほうに進みました。

   

現代における書道の役割

 Q: 現代の日本社会で書道はどのような役割を果たしていると思いますか?

 筆で書くから、その表現としての多様性があり、今は芸術、アートです。書いたりするのはパソコンでいいけど、書道があるのはそれを表現する楽しさとか多様な表現の仕方、芸術的な部分があるから今大切だと思います。

Q: 日本の書道が今でも文化の大切な一部として残っている理由は何だと思いますか?

 手書きだからその人の思いが出ますね。パソコンだったら、みんな同じ機械の同じフォントの形だけど、やっぱり私が書けば私の思いや性格とか今こういうふうに書きたい、こういうふうに強く表現したいというものが出るから、今もあるんでしょうね。

   

 Q:書道を学ぶことで日常生活や考えにどのような影響があると思いますか

精神性というか自分の思いが出る。日本の文化の中で柔道、剣道のような道がつくものが、精神性を持っていると思う。自分を強く持っていたら、強いものが書ける。書道は心のあり方が表れ出るものだと思います。

   

 

Q:学生には文字を書くこと以外にどのようなことを学んでほしいと思いますか?

書道に対する向き合い方、取り組み方、真面目さです。ただ書けばいい、ではなくて、その時の気持ちが出るから、この一枚に集中して丁寧に書く。

留学生と書道

 Q:留学生だけでなく日本人の学生も教えた経験はありますか?

 あります。技術は日本の学校教育は小学校、中学校、また選択したら高校でも書道を学びます。技術が高い人も多いですが、それを含めて日本人のほうが集中したり、まじめな部分があります。逆に留学生の人は自由だから自由な発想で表現力は豊かだけど、集中がしにくいかなというところはありますね。

Q:日本の書道に興味を持つ留学生についてどのように感じますか?

すごくいいことですよね。その日本の文化を知ってほしいし、それをまた自分の国に帰って広めて、理解をしてほしいです。日本の文化、内容は違う茶道、華道も、書道もある。違うけれども、やはりその精神性とか集中力、忍耐力、勤勉さ真面目さ、そういうところもあり、日本人の特性が表れている思います。その中で、日本的な、四季春夏秋冬があるから、すごく感性が細やか。ただ春、夏だけではなくて、春と夏の間のようなグラデーションの部分も非常に細かく、和食とか和菓子とかにも表現されているのを感じ取ってほしいです。

Q:書道を勉強したい留学生にアドバイスは?

いろいろ書くのもですけど見てほしい。紙も、いろんな色がある。筆も太いのや細いのもあるし、動物の毛の違いとかね、そういう用具の違いによる作品効果についても知ってほしいです。

※記事中の書の作品はすべて南條佳代(南條佳園)さんによるもの

   

(インタビュー:2026年3月)

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